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糖質制限と高炭水化物摂取それぞれのダイエットを比べてみる

Fotolia_81584558_XS巷で人気の糖質制限といわれる炭水化物抜きダイエット。日本人の主食といわれる米はもちろん、パンや麺類を減らし、当然糖質の多いお菓子などもカットするくことで、減量効果があるというものです。

もともと、血糖値が高いままで下がらなくなる糖尿病の治療として広まったのが経緯ですが、その高い減量効果から一般のダイエットをしたい人たちにも人気を博しました。

しかしその一方で、安易に糖質制限をはじめたばかりに、低血糖症のような症状を訴える人や便秘になった人、やめたあとに大きくリバウンドをするという声もたくさんみられるようになりました。

以前のブログでも簡単に書きましたが、あまり知識もない状態で今の食生活から糖質を全カットすることはリスクを伴います。
低炭水化物ダイエット、糖質制限。効果のほどは?

日本人のソウルフードであるお米を抜くなんてもっての他だ!とその危険性に警鐘を鳴らす方々もたくさんいらっしゃいますが、今一度糖質制限について考えてみましょう。

糖質制限では、糖質こそ肥満の元。インスリンは肥満ホルモンであるといいます。

炭水化物=(糖質+食物繊維)のことをさします。お米やパンや麺類、芋類も糖質の多い炭水化物でありますが、砂糖などをはじめ菓子類やジュースなどの甘い飲み物は、食物繊維をあまり含まない炭水化物です。

そして、野菜類は糖質が少なめで食物繊維が多い炭水化物です(人参やカボチャは糖質多め)

 

糖質はエネルギーとして1gあたり4kcalのエネルギーを持っていますから、食べることで私たちのエネルギーとして蓄えられますし、必要以上にあると体脂肪となってしまいます。

逆に、食物繊維は基本的に私たちの体では消化ができないものとされていますから(腸内細菌の餌となるものもあります)カロリーは0kcalで、体脂肪になることはありません。

ですから、糖質をどれくらい摂るか?を制限するのが糖質制限です。炭水化物抜きという言葉は、一般の人向けでわかりやすい表現になっているだけだと思っておくとよいでしょう。

 

その糖質ですが、食べた後に腸で吸収されると、それが全身の血管の中を血糖という形で運ばれます。

これは、糖質が様々な細胞のエネルギーとなるからです。食べたものがすぐに体脂肪になるわけではありません。

しかし、糖質というものは即効的なエネルギーとなりますが、ありすぎると体にダメージを与えてしまうということもあり、糖質という状態では多く蓄えることができません。

 

Fotolia_68269509_XS糖質を摂ると、必要以上に血糖が体内で増えて、「血糖値」が上昇します。こうなると、体は増えすぎた血糖を全身に吸収させるために膵臓からホルモンを分泌します。

これがインスリンというホルモンです。血糖値が上昇したタイミングでインスリンが分泌されるのですが、この量は糖が多ければ多いほどたくさん分泌されます。

普段私たちが食事で摂る糖質の量は、それが体が消費する量とかわらないのであれば、それは体脂肪としては蓄積はされません。

 

インスリンによって糖質が筋肉や内蔵などの細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われるのであれば問題はないのです。
しかし、一日家にしかないとか、デスクワークでほぼ座って過ごしているという人だと、一般的に食べる糖質の量は過剰になってしまっている可能性は高いのです。
問題は、このインスリンが体内の合成ホルモンであるということ。過剰な糖質を細胞に合成させるという役割がありますから、筋肉をつけたりする時にはよい方向に働いてくれます。

 

このインスリンが出ている最中は、体内の体脂肪の分解は抑制され、むしろほかの脂質などの栄養素も細胞に取り込まれやすくなっている状態となります。

ですから、カロリー消費の少ない運動不足のにとってみれば、糖を摂りすぎてインスリンが出るタイミングが多いと、いつも体脂肪を作り出しているというような状態になってしまうということ。

できるだけインスリンが出ている状態をなくしたい…

というときに糖質制限は有効です。なにしろ、食事によって血糖値があがるのは糖質を摂ったときのみですから。糖質をとらなければインスリンが過剰に分泌されることもないのです。

 

糖質制限はこれによってインスリンを肥満ホルモンと称し、糖質の摂取を控えることによってインスリン過剰分泌を抑えるようにさせます。

合成する作用が弱くなり、細胞が糖質が足りないという時に、糖質で自分で作り出す作用(糖新生)を亢進させることが糖質制限の目的。つまり、糖質以外のものを食べていれば、体は糖質を自分で作り出そうと働いてくれるのです。

しかし、それだけでもやはり糖が足りないので、さらに体脂肪をエネルギーとして使うスイッチが入ります。すると糖だけをエネルギーとせず、自分の体脂肪をうまく利用できる状態を作り出すようになってきます。

 

糖というエネルギーを摂取しなくても、体は必要な分の糖を作り出し、さらに糖質だけでなく脂質ももちろんエネルギーにできますし、さらにさらには、脂質をエネルギーとして使った後に代謝されるケトン体という物質もエネルギーとして再利用することもできるのです。

このエネルギーサイクルは、飢餓の時代を生き抜いてきた私たちの祖先から備わった機能で、これを目覚めさせるということではないでしょうか。

活動量に対して過剰にエネルギーを摂りすぎている現代人にはもしかしたら適しているのかもしれません。

目的は糖だけに頼らない状態にすることであり、飢餓になることではない

Fotolia_56334866_XSエネルギーを糖だけに頼らずに、脂質やケトン体といった代替エネルギーが亢進した状態というのは、実は何も食べない絶食状態で起こることが同じです。

ですから、極端なカロリー制限とやっていることは同じで、結局のところ身体は飢餓状態となり、様々な健康リスクがあるとする声も多くあるのが事実です。

 

しかし、絶食やカロリー制限と違うところは、糖質以外の栄養はできるだけ沢山とるということです。

体内でエネルギーを作り出すためには、ビタミン・ミネラルをはじめ、結局のところ栄養素がたくさん必要になってきます。

不要なものは排除し、必要なものを摂るという考えから、糖質だけをカットというシンプルな方法で、ダイエットを行うのがこの糖質制限。

 

飢餓状態と似たような代謝になりますが、必要な栄養素はむしろ十分以上に摂取することで、身体のバランスを正常化させるということも担っているような気もします。
しかし、それを理解せずに必要な栄養素の摂取まで自然とカットしてしまい、糖質制限+他の栄養素も少ない単なる食事制限をしてしまう人がかなり多くいらっしゃいます。

また、身体の適応をみながら少しずつ食事を変えていくではなく、今までの食事から突然ガラッと糖質制限の食事にしてしまったことで、急な変化に適応できず、体調を崩してしまうひともいます。
極端な方法にはしらずとも、まずは少しずつ適応させるところからはじめること、そして事前に勉強をしておくことがとても重要なのは言うまでもありません。

糖質制限とは真逆?高炭水化物摂取ダイエットについて

Fotolia_83403135_XSこういった糖質制限の流行りに対して、こんな食事法はとても危険だ!と警鐘を鳴らしている医師や栄養士もたくさんいらっしゃいます。

 

頭ごなしに否定をしていたり、低血糖やケトン体のことをよく知らずに批判をしている人もたくさんいらっしゃいますが、糖質制限が必ずしも正しいというわけではなく、このような方法でも減量は可能だったり、健康になることは可能だということも知っておくとよいでしょう。

テレビ世界一受けたい授業2時間スペシャルに登場し、炭水化物摂取ダイエットを提唱していたのが、京都大学の森谷敏夫教授。

糖質制限が流行しているところに、真逆に話がでてきて、混乱している人も多かったと思いますが、この内容を少しまとめていきましょう。

・糖質を減らして落ちているのは脂肪ではなく水分。やめれば即リバウンド!

・筋肉が落ちて隠れ肥満になるおそれがある!

・低炭水化物食を続けていると死亡リスクが上昇する

・長期的な減量結果に大差はない

ということなどをおっしゃっています。これらは、糖質制限をする上でも注意をしなければいけないポイントですから、糖質制限のリスクとしては知っておいて間違いないでしょう。

 

何事も、自分の意見を主張する時は、その優位性を述べる必要があり、そのためには対照的なものに対しては批判的な意見となりがちです。

意外とこういう意見が参考になりますから、何が自分に合っているか?の判断材料とするとよいでしょう。
糖質制限を信じている人は、こんなの嘘だ!と思われるかもしれませんが、事実この方法で結果を出している人が沢山いるわけですから、なぜそうなのかを知っていく必要があるでしょう。

次回はこの高炭水化物摂取についてお話ししていきましょう。

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