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1.292018
本の感想【1】自律神経とDIT【食事誘発性熱産生】との関係

最近読んで面白かった本の感想とエネルギーについての知識のおさらいを交えて述べていこうと思います。
今回は肥満のメカニズムに関する研究をされている森谷 敏夫先生が著者であるやせられないのは自律神経が原因だった!を読みました。
この本で興味深かった部分がありましたので、そちらについて話していきます。
まず1日消費するエネルギーのおさらい
人間がが消費するエネルギーは大きく分けて3つあります。
①「基礎代謝」割合は約60〜70%
こちらは寝ていても、じっとしていても消費する生命維持のためのエネルギー。
②「生活活動代謝」割合は約20〜30%
普段の身体活動のことを指しており、歩いたり仕事をしたり、スポーツなど活動して消費するエネルギーです。
③「食事誘導性熱産生」約10%
食事をするときに消費するエネルギーで、DITと呼ばれます。
※DITはDiet Induced Thermogenesisの略称です。
この③つめにあります。食事誘導性熱産生ですが、
この熱産生は、栄養素によって違うことがわかっており、
糖質が約6%、脂質で約4%、たんぱく質で約30%と言われております。
ですので、ダイエットの際はたんぱく質摂りましょうというのは一つの要因として挙げらていると思います。
※他の要因もありますが。
ですが、今回の本で面白かったのは食べるシチュエーションによって食事誘発性熱産生が増える!?という内容でした。
※元ネタの論文は問合せたところ現在先生の手元にないようです。
アメリカの研究所で行われた実験で、2つのグループに分けて食事を変えて食べてもらったとのことでした。
1つめのグループにはおしゃべりしたり、きれいな盛り付けをしたりと視覚的にも環境的にも癒やされるような楽しい食事を何人かで行い、、別のグループにおいては同じ食事をすべてブレンダーにかけて、ボール入れてポンと出して、薄暗い場所で1人食べてもらったとのことです。
※まずこの時点で後者の食べ物がブレンダーにかかっている時点で、食べ物の状況が違いますし、咀嚼による運動が伴わないので、シチュエーションでの食事誘発性熱産生の比較になるのかは疑問ですが、食事誘発性熱産生を調べてみたところ前者は圧倒的に高かったのに対して、後者では値がゼロに近かったそうです。
→ゼロってもはや食事誘発性熱産生ないってことですね。。。そもそも何食べたのかも気になるところです。
ここから考えれるのは
①視覚的にも環境的にも癒やされるような何人かによる楽しい食事では食事誘発性熱産生が上がる可能性があること。
②食べ物がブレンダーにかかっている食事だと【流動食】食事誘発性熱産生が上がらない可能性がある事。
③薄暗い場所で1人食べると食事誘発性熱産生が上がらない可能性がある事。
というのがあるのではと思います。
ですので、
①食事で食事誘発性熱産生を上げていきたい場合は固形物を食べること。
②視覚的にも環境的にも癒やされるような何人かによる楽しい食事を行うことが大切なのではと考えられます。
せっかくの食事ですから素敵な環境で、楽しみながら食べたいものですね。
また面白そうな本がありましたら紹介したいと思います。
この本ではその他自律神経を鍛えてやせる方法や、遺伝子、ダイエットの関係の話等でも大変面白いので、是非興味ある方は読んでみて下さい。