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11.302015
糖質制限でランニング?マラソンは糖ではなく脂質で走れ!

長距離のトレーニングといったら、しっかりエネルギーを補給して行わないと危険!というイメージがありませんか?
特にフルマラソンといったら、走る数日前から糖質の貯蔵量を増やすために行うカーボローディングというのが有名です。
私達が運動する時に、糖質というものはなくてはならないものですから、これ抜きで走るなんてことはもっての他。
しかし、ここで意外なことに、その大事な糖質を制限してしまう糖質制限がフルマラソンにおいて有効だという話をチラホラ聞くようになってきました。
実際これはどうなのでしょうか?
私達は糖質を絶え間なく使っている
運動をする時に使うエネルギー源は先程もお伝えした糖質です。つまりこのブドウ糖を燃やしてエネルギーを作り出しているわけです。
しかし、有酸素運動では体脂肪が燃焼され…という言葉を聞いたことがある人はもちろんほとんどだと思います。
マラソンは有酸素運動の代表格のようなもの。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動では、糖質だけでなく、脂質もエネルギー源として使います。
これが有酸素運動はダイエットで体脂肪を燃やすのに最適だと言われる所以であるわけです。
とはいえ、短距離ダッシュや重い負荷の筋トレではほぼ全部糖質をエネルギーにしているのに対して、有酸素運動ではその半分くらいがまだ糖質。そして残りが脂質というわけです。
つまり、私達は常に糖質を使っているということになるのですが、この糖質は沢山の量を貯蔵しておけません。
糖質を体内の貯蔵している所は肝臓と筋肉。ここにグリコーゲンという形で糖を貯蔵しているのです。
身体の大きさなどにもよりますが、だいたい肝臓に500kcal(125g) 筋肉に1500kcal(375g)のグリコーゲン(糖)を蓄えているといわれています。
糖質だけではフルマラソンは走れない
フルマラソンはご存知42.195kmの距離があります。これもレベルによって2時間台から5時間、6時間と完走のタイムは異なってきます。
しかし、だいたいランニング時の消費カロリーは[体重]×[走行距離(km)]=[消費カロリー]で計算されるため、長い時間走ったからといっても、それだけ差がでるほど沢山エネルギーを消費しているというわけではありません。
ですから、タイムがどれくらいであろうと、60kgの人が42kmを走ったとしたらだいたい2500kcal相当のエネルギーを消費するということです。
ここで問題なのは糖質の量。
体内のグリコーゲンの貯蔵量は約2000kcalですから、500kcal近くも足りないということになります。
つまり、糖質だけをエネルギーにしてしまったら、エネルギー切れをおこしてフルマラソンは完走できないのです。
これは当然、42kmを全力ダッシュでは無理というのと同じことで、できるだけ体内の糖質を温存したまま走る方がよいということになるわけです。
例えば、有酸素運動は、半分くらい脂質を使っているのだから、ジョギングペースなら糖質を使いきらなくても大丈夫なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、実はなかなかそうもいかないのです。体内の糖質は非常に重要な栄養素なので、急激に減り始めると身体がそれに反応して、運動をやめさせようとしてきます。これは身体の防御反応であり、安全装置なわけです。
運動中に、息が苦しくなったり、脚が動かなくなったり…というのは、エネルギーがなくなってきたということももちろんなのですが、この調子でいくと危険だよ!と身体がやめさせようとしている反応でもあるということです。
糖質温存のために脂質エネルギー代謝を高める
体脂肪は1kgあたり7200kcalもあるエネルギー源です。体脂肪は、万が一の飢餓の時のために貯蔵しているエネルギー源。
例えば、糖が紙のようにすぐにボー!!と燃えるイメージだとしたら、脂質はまさに薪のような感じです。直接マッチの火を近づけても簡単には燃えてくれません。
紙はすぐに燃えますが、すぐに火が消えてしまいます。薪はジワジワと燃えてくれますから、長持ちするのです。
つまり、この脂質エネルギーを入れる能力をいかに高めるかが、フルマラソンでエネルギーバテを起こさないための秘訣になのです。
グリコーゲンは約2000kcalしか貯蔵しておけませんが、体重60kgで体脂肪率10%の人でさえ6kgの体脂肪をもっていて、合計43200kcalも貯蔵しているというわけです。フルマラソンが2500kcalといいましたから…これなら完全にあまるほどあるというわけですね。
要するに、普段のランニングのトレーニングから、これを意識したトレーニングをするだけでも脂質エネルギー代謝を高めていくことはできるのですが、ここで秘密兵器としてあるのが…糖質制限というわけです。
今回は本質に近づけませんでしたが、糖質制限とマラソントレーニングについてはまた次回に書きます。